山口県職業能力開発協会は「職業能力開発促進法」に基づき、国や県と連携をとりながら従業員の能力開発、向上のための事業を行う団体として設立されています

トピックス3

「ものづくり立国」の推進

「職業能力評価制度」は、我が国の産業を支える社会基盤の一つなのだ!

 

 ※本稿は、「職業能力評価ダイジェスト(令和6年度版)」[厚生労働省人材開発統括官
  付能力評価担当参事官室編]から、抜粋・要約したものです。

 
 
◆取り巻く状況・時代背景◆
 

 少子・高齢化の進行、経済のグローバル化

         ↓

 産業・労働市場の構造の激変

         ↓

 職業能力面でのミスマッチが顕在化

         ↓

 職業能力の「見える化」の促進
  「技能検定」「認定社内検定」「職業能力評価基準」
  「団体等検定」:R6年3月開始(雇用者以外も対象)

 
課題 ・企業内では有効活用されているが、採用などの外部労働市場では環境が不十分
         ・対人サービス職種等では、公的な職業能力評価制度が不十分
         ・技能検定制度の裾野拡大等の見直しの必要性 ⇒安定的・継続的運用の重要性

 

    
 
 
 
 
1 技能検定制度
 
 概要 労働者等が有する技能を一定の基準によって検定し、公証する国家検定制度
    (職業能力開発促進法)
 職種 建設、金属加工、一般機械器具、電気・精密機械器具、木材・木製品等131職種
 
 役割 労働者等の技能習得意欲の増進、雇用の安定、円滑な再就職、社会的地位の向上
 
 実績 特級・1~3級 <全国値> ※随時級・基礎級を除く、令和2年度は前期試験が中止

 
 申請者数合格者数合格率
累計(S34~R4)18,924,906人7,326,093人38.7%
令和4年度748,238人297,266人39.7%
 
 沿革 ・昭和34年(1959年) 5職種(1級・2級)で開始
    ・昭和63年(1988年) 特級新設
    ・平成 5年(1993年) 3級、基礎1級・2級(技能実習生)新設
    ・平成29年(2017年) 基礎1級・2級 → 基礎級
 
 体制 ・厚生労働大臣   「技能検定実施計画」の策定・告示
    ・都道府県知事   「地方自治事務」として実施(公示、合格通知等)
    ・中央職能協会   試験問題等の作成
    ・都道府県職能協会 受検申請書受付、試験の実施等 (都道府県知事から受任
    ・指定試験機関(19)  公示、受検申請書受付、試験の実施等(厚生労働大臣から受任
 
 特典 各法律において規定
法律等特典の対象職種特典の概要
職業能力開発促進法法施行規則別表
第11の2
・職業訓練指導員試験の受検資格
・職業訓練指導員試験の実技試験、学科
 
試験の受験免除
・48講習修了で指導員免許交付
労働安全衛生法・特級の全職種
 
・金属溶解等51職種
・職長等に対する安全衛生のための教育事
 項を省略
・労働安全コンサルタント試験の受験資格
作業環境測定法・金属加工など、多くの
 職種(77職種)
・化学分析
・作業環境測定士試験の受験資格
 
・測定士試験の一部受験資格免除
建設業法、建設リサイクル法、浄化槽法建設業関連職種<建設業法>
・専任の者、主任技術者の資格
・造園、管工事、建築施工管理技術検定の
 受験資格
・登録基幹技能者講習の受講資格
<建設リサイクル法>
・技術管理者の資格
<浄化槽法>
・浄化槽設備士試験の受験資格
公共建築工事標準 
仕様書
官庁営繕工事の特記仕様で指定する工事作業1級・単一等級技能士が自ら作業、作業指導することとされている。
製菓衛生師法菓子製造・製菓衛生師試験の「製菓理論」及び
 「実技」に係る受験免除
液化石油ガス保安法配管・液化石油ガス設備士講習の講師の条件
 (一部の科目を講習可)
・同講習科目の一部受講免除
消防法配管
強化プラスチック
・甲種消防設備士試験の受験資格
・ライニング成形・確認有資格者
特定ガス消費機器法浴槽設備施工・ガス消費機器設置工事監督者資格
屋外広告物法広告美術仕上げ
帆布製品製造
・屋外講習会修了者等の資格
・屋外広告物表示方法の受講免除
義肢装具士法義肢・装具製作・義肢装具士試験の受験資格
調理師法調理・「食文化概論」「調理理論」「調理
 実習」の教科課目の教員資格
建築物衛生的環境法ビルクリーニング・清掃作業監督者の受講資格

 




2 「ものづくり立国」の推進

 


☆若年者の「ものづくり離れ・技能離れ」に伴い、就業者数の減少が進行
☆熟練技能の継承に支障。
  → 日本の競争力の源泉である「技術力」が低下のおそれ。


☆若年者が進んで技能者を目指す環境を整備し、技能の魅力・重要性を啓発し、 
 若年ものづくり人材の確保・育成につなげていくことが重要。
 


 
1 若年技能者人材育成支援等事業
  
  
【ものづくりマイスター】の派遣による実技指導
    企業、業界団体、教育訓練機関に、ものづくりやIT分野で優れた技能・経験を備えた技能者
    を派遣して、実技指導等を実施

   <IT部門>※令和4年度から、名称が「ものづくりマイスター」に一本化。
    将来のIT人材育成に向けて、情報技術に関する興味を喚起するとともに、情報技術の職業
    能力を付与するため、優れた情報技能者を派遣して講習等を実施

   
<+DX部門>※令和4年度から、名称が「ものづくりマイスター」に一本化。
    中小企業等に対するIT技術を活用した効率的なものづくりに関する実技指導を行うため、
    改善の能力やIT技能等を有する熟練技能者を派遣

 
  ②技能尊重気運の醸成
    一級技能士等が技能を駆使した製品等を「グッドスキルマーク」として認定・普及

                       令和6年度は休止中
 
2 各種技能競技大会の推進
   【若年者ものづくり競技大会】
    教育訓練施設において技能を習得中の20歳以下の若年者を対象に開催される全国大会。
    令和5年8月の静岡県開催で、18回目。令和6年7月は群馬県開催。
   【技能五輪全国大会】
    23歳以下の青年技能者を対象に開催される全国大会。令和5年11月の愛知県開催で、
    61回目。
            令和6年11月は愛知県開催。隔年で開催される技能五輪世界大会の予選も兼ねる。
          (令和4年:中国・上海、令和6年:フランス・リヨン)
   【技能グランプリ】
    年齢にかかわりなく、各都道府県から選抜された特に優れた技能を有する1級技能士等が競
    う全国大会。令和6年2月の福岡県開催で32回目(第22回大会から 隔年開催)。
    次回は、令和7年度大阪府開催の予定。
 
3 各種表彰の実施
   【卓越した技能者表彰 [現代の名工] 】
    厚生労働大臣が、我が国の最高水準にある優れた技能者を表彰することにより、 技能尊重
    気運を高め、技能者の地位及び水準の向上を図るとともに、青少年が誇りをもって技能者に
    なろうとする社会的基盤を築こうとするものである。
    第1回:昭和42年(93人)→ 令和5年(150人) 累計:7,096
   【職業能力開発関係厚生労働大臣表彰】
    <対象> ・認定職業訓練及び技能検定の推進の業績が極めて優良で他の模範になると認めら
         れる事業所、団体、功労者
        ・技能振興の推進の業績が極めて優良で他の模範になると認められる事業所、団体